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旅に誘う映画 008:PARIS, JE T'AIME(2006)

パリ、ジュテーム

Paris, FRANCE

◉旅の誘い度★★★★☆

◉パリの街角で始まるちいさな物語。

『パリ、ジュテーム』は、『アメリ』のプロデューサーであるクローディー・オサールの呼びかけで実現した「巴里礼讃」のオムニバス作品だ。世界に名だたる、そしてパリを愛する18組の監督が集合し、1区1監督、1編5分という条件で製作されている。それぞれのエピソードのロケ地が、パリ20区のなかから重複しないように選ばれており、観光客が普段足を運ばないエリアも多くフィルムに収められている。映画を観た後、そんな飾らないパリの素顔に出会いたくて、旅に出てしまう人もいるかもしれない。

◉永遠の5分を感じる

パリ好き、映画好きなら見逃せないオムニバス作品。 ストーリーが始まり、それぞれの役者の役割がつかめ、徐々にバックグラウンドが明らかになる。主人たちに感情移入が可能になる頃、ひとつの物語は幕を閉じる。最初はその間合いに戸惑うが、映画が進むにつれテンポが取れるようになる。渦巻くようなさまざま余韻の波に心地よく翻弄されているうちに、当たり前のことを再認識している自分に気がつく。そう、この映画の本当の主人公がPARIS自身だということに。


◉撮影区:タイトル/脚本&監督(*は監督のみ) 

1区:チュイルリー/ジョエル&イーサン・コーエン 

2区:ヴィクトワール広場/諏訪敦彦 

3区:デ・ザンファン・ルージュ地区/オリヴィエ・アサヤス 

4区:マレ地区/ガス・ヴァン・サント 

5区:セーヌ河岸/グリンダ・チャーダ 

6区:カルチェラタン/フレデリック・オービュルタン*、ジェアラール・ドパルデュー* 

7区:エッフェル塔/シルヴァン・ショメ 

8区:マドレーヌ界隈/ヴィンチェンゾ・ナタリ 

9区:ピガール/リチャード・ラグラヴェネーズ 

10区:フォブール・サン・ドニ/トム・ティクヴァ 

12区:バスティーユ/イサベル・コイシェ 

13区:ショワジー門/クリストファー・ドイル 

14区:14区/アレクサンダー・ペイン 

16区:16区から遠く離れて/ウォルター・サレス 

17区:モンソー公園/アルフォンソ・キュアロン 

18区:モンマルトル/ブリュノ・ポダリデス 

19区:お祭り広場/オリヴァー・シュミッツ 

20区:ペール・ラシェーズ墓地/ウェス・クレイヴン 


◉パリ、ジュテーム

◎原題:PARIS, JE T'AIME/フランス/2006年

◎出演:スティーヴ・ブシェミ/ジュリエット・ビノシュ/ファニー・アルダン/イライジャ・ウッド/ナタリー・ポートマン/ジーナ・ローランズ/ジェラール・ドパルデューほか 



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