マイ・ブルーベリー・ナイツ
NEW YORK, MEMPHIS, LAS VEGAS
◉旅の誘い度★★★★
◉新しい恋と向かい合うための5603マイルの道草
『恋する惑星』『天使の涙』『2046』など、美しくスタイリッシュな映像表現で知られる、香港の映画監督ウォン・カーワイ。本作は監督の初の英語作品であり、世界の歌姫ノラ・ジョーンズの女優としての映画デビュー作でもある。舞台をアメリカに移し、超豪華なスタッフィングで臨んだ本作では、定評ある映像美はさらに磨きがかけられ、ライ・クーダーの音楽とあいまって深い陶酔の世界へと観客を誘う。
傷心の主人公は、ニューヨークを起点に、メンフィス、ラスべガスへと旅をする。
◉STORY
傷心のエリザベス(ノラ・ジョーンズ)は、心変わりした恋人との別れる決心もつかず、ふらりと入ったダイナーのオーナーのジェレミー(ジュード・ロウ)と親しくなる。毎晩、彼女のためにブルーベリー・パイを残しておいてくれるジェレミーに、新しい恋の予感を感じながらも、その一歩を踏み出すことができない。そんなエリザベスは自分を見つけるために突然旅に出る。 エリザベスが旅の途中で出会うふたつの大きな“別れ”。 メンフィスでは、過ぎ去った愛に束縛された夫婦の悲しい別れを目撃し、ラスベガスでは、人を信じないことを身上とする若い女性ギャンブラーと父親との別れに立ち会う。それらの別れを通じ、人を愛することの意味を考えるエリザベスは、長い旅を通じて、素直に一緒にいたいと思う人がジェレミーだと気づく。
◉なぜ、ブルーベリー・パイだったのか?
という問いに、「一番人気のないケーキをオーダーしたら、ブルーベリー・パイがでてきた」「ノラ・ジョーンズに嫌いなケーキを聞いたら、ブルーベリー・パイと答えたから」と監督の弁。
マイ・ブルーベリー・ナイツ
◎原題:My Blueberry Nights /2007(日本公開2008年3月)
◎監督:ウォン・カーウァイ
◎脚本:ウォン・カーウァイ、ローレンス・ブロック
◎撮影:ダリウス・コンジ
◎音楽:ライ・クーダー
◎美術:ウィリアム・チャン
◎出演:ノラ・ジョーンズ、ジュード・ロウ、デイヴィッド・ストラザーン、レイチェル・ワイズ、ナタリー・ポートマン
©Block 2 PICTURES 2006
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