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Architectural Design 03 : Markthal

Rotterdam, NEDERLANDロッテルダム、オランダ

オランダの建築家集団MDRDVが設計したフードマーケット&集合住宅。

◉フードマーケットと集合住宅の複合施設

2014年10月にオープンしたマルクトハルMarkthal(英語ではマーケット・ホールMarket Hall)は、オランダ最大の屋内マーケットである。この建物は、ロッテルダムを拠点に世界で活躍する建築家集団MVRDVによって設計され、国内はもとより世界中から観光客が訪れる人気の観光スポットとなっている。 

モノトーンの外観とは一変、中に入ると極彩色の空間が広がる。
モノトーンの外観とは一変、中に入ると極彩色の空間が広がる。
アーチの内側にも四角い窓が穿たれている。
アーチの内側にも四角い窓が穿たれている。

かまぼこ型のトンネルという独特な形状であるが、近づいてみるとその大きさに圧倒される。10,000㎡にもおよぶ巨大な敷地内の店舗スペースは2層の構造になっているが、天井(?)は、はるか上にあるので圧迫感はほとんど感じられない。広大なスペースに、カフェや地元の人気料理、生鮮食品から高級食材までを提供する100軒以上のフードショップやレストランが並んでいる。

 

 

◉マルクトハルは、2017年、国際ショッピングセンター協会(ICSC)が実施する「Design and Development」部門の「VIVA BEST-OF-THE-BEST」賞を受賞している。  

外観だけ見てば一般的なマンション。地下駐車場は1200台の収容が可能。
外観だけ見てば一般的なマンション。地下駐車場は1200台の収容が可能。

マルクトハルは単なる屋内マーケットではなく、マーケットを囲む高さ20メートル、幅70メートル、長さ117メートルの大きなアーチ状の建物全体が、228戸の集合住宅となっている。  

巨大は壁画は正方形のパネルの集合体で描かれている。
巨大は壁画は正方形のパネルの集合体で描かれている。

 内側のマーケットスペースを包み込む巨大な壁画のテーマは、豊穣を象徴する「コルヌ・コピア(収穫の円錐)」であり、オランダ人アーティストのアルノ・クネンとイリス・ロスカムが果物や野菜、花、昆虫などをモチーフに描いたもの。


キューブハウスとブラークタワー、いずれもピエト・ブロムの設計である。
キューブハウスとブラークタワー、いずれもピエト・ブロムの設計である。

マルクトハルのすぐ近くに、オランダ構造主義の流れを汲むオランダ人建築家ピエト・ブロム(1934-1999)が設計したキューブハウスがあるので一緒に見学したい。居住部分となる正六面体(キューブ)は、頂点を支点として45度の角度で傾き、それを6角形の支柱が木の幹のように支える形になっている。1軒がミュージアムとして内部を公開している。また、Personal Architecture BNAにより客室(Stayokay Hostel Rotterdam)に改装されたキューブがあり、宿泊も可能である。


MVRDV

MVRDVは、1993年にロッテルダムで設立された、オランダの現代建築を代表する建築集団である。ビーグルハウス(犬小屋)といったプロダクトデザインから、個人宅・集合住宅やパビリオンの設計、そして都市景観マスタープランまで幅広く、国内外の各種のプロジェクトを手掛けている。名前の由来は設立時のメンバーの三人の頭文字からとったものであり、ヴィニー・マースとヤコブ・ファン・ライスはレム・コールハースのOMA出身である。

ロッテルダムのMDRDVのオフィスの内観
ロッテルダムのMDRDVのオフィスの内観

Markthal

◉マルクトハル(2014)

◎Architects: MVRDV

https://www.markthal.nl

 

住所:Dominee Jan Scharpstraat 298, 3011 GZ Rotterdam

 

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