◉Barcelona, SPAIN／バルセロナ、スペイン

コロニア・グエル、町全体がガウディ派の作品。

◉ガウディが残した奇跡の街並み

町全体がガウディ派の作品で構成されていると聞いて、バルセロナに行ったら訪れたいと思っていた場所がコロニア・グエルだった。実際訪れてみると、町なかは19世紀末から20世紀初頭の建物が建ち並びミュージアムのようで散策が楽しい。

地名にコロニアとあるように、町全体が工業コロニーとして形成されている。発注主はガウディのパトロンであるエイセビ・グエルであり、彼の所有する綿紡績工場の労働者用の小さな都市空間として造成された。

◉未完のコロニア・グエル教会

そして町のハイライトは、このコロニーのために造られたコロニア・グエル教会（地下聖堂）である。当初の予定では2層の身廊を持つ独創的な教会になるはずだったが、1908年に着工したものの6年後にはプロジェクトが中断されてしまう。未完の教会と言われるとおり屋上（？）に上ると、本来あるべき尖塔も何もない、なんとも殺風景で不思議な空間が存在する。一般に地下聖堂と呼ばれる下側の身廊のみを完成させたということだが、「ガウディの最高傑作」と言われるだけあって、荒削りの玄武岩の柱は非常に力強い存在感を示し、印象的な空間が創出されている。ガウディファンならぜひ訪れたい場所である。