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旅に誘う映画 003 : Deux Moi (2019)

パリのどこかで、あなたと

PARIS

◉旅の誘い度★★★

◉パリに暮らす不器用な男女の出会いを描く

『パリのどこかで、あなたと』は、『猫が行方不明』(1996)『スパニッシュ・アパートメント』(2002)のセドリック・クラピッシュ監督の最新作。パリでの撮影からしばらく離れてた監督が、舞台として選んだのは、『アメリ』や『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』などのロケ地ともなった18区。ランドマークのサクレクール寺院と鐘楼が、ふたりが暮らすアパルトマン越しの映像として、幾度となく挿入されます。  

 監督が本作で描きたかったのは、現代のパリのリアルな姿でした。ロケ地となったスターリングラードとその周辺(18区、19区)は、近年大きく変貌を遂げており、「私の知らないパリが作られていて、それを訪ねるのが興味深かった」と、監督は振り返っています。また、レミー役を演じたフランソワ・シヴィルも「国際色豊かで、多文化が共存するのが現在のパリであり、多くの顔を持つパリは、そこに住む人たちによって形作られています」と、今回のロケーションの持つ意味について語っています。  

 

『おかえり、ブルゴーニュへ』(2017)で姉弟役を演じたアナ・ジラルドとフランソワ・シヴィルが再び共演し、SNSでは埋められない不安や孤独を抱えながら都会に暮らす現代人に共通した影と葛藤しながらも自身の過去を受け入れ、前進していく姿を丁寧に描いています。都会の喧騒に疲れた心を温かく包み込んでくれる作品です。  


◉パリのどこかで、あなたと

◎原題:Deux Moi/2019/フランス

◎英題:SOMEONE, SOMEWHERE

◎監督・脚本:セドリック・クラピッシュ

◎脚本:サンティアゴ・アミゴレーナ

◎出演:アナ・ジラルド、フランソワ・シヴィル ほか

◎公式サイト:https://someone-somewhere.jp

© 2019 / CE QUI ME MEUT MOTION PICTURE - STUDIOCANAL - FRANCE 2 CINEMA


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◉公開時の紹介文からロケ地情報を中心にまとめ直しました。

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