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Carel Fabritius : Het puttertje, 1654

◉カレル・ファブリティウス : ゴシキヒワ

レンブラントの弟子!、フェルメールの師匠? 寡作の画家が残した珠玉作品

◉マウリッツハイス美術館の至宝のひとつ

本作は、オランダのデン・ハーグにあるマウリッツハイス美術館に所蔵されている、17世紀のオランダの画家カレル・ファブリティウス(1622-1654)の作品です。

 

カレル・ファブリティウスは、レンブラント工房に籍を置き、最も才能のある弟子であり、だまし絵の技法を得意とした画家とされる。本作でも、当時ペットとして人気のあったゴシキヒワを原寸サイズであたかもそこにいるかのように描き出している。このゴシキヒワが描かれた1654年、デルフトの街の広域を消失させた武器庫の火災事故により、ファブリティウスは32歳の若さでこの世を去っている。現在確認できる彼の作品は10点余りであり、貴重な1点といえる。また、彼がフェルメールの師であるという説もある。副業で画商を営んでいたフェルメールが彼の作品を少なくとも2作品は所有していたという記録が残っており、たとえ師弟の繋がりがなくても、同業の画家として影響を受けた可能性は十分にある。

◉訪れる時には忘れずに

マウリッツハイスを訪れる人のほとんどが、フェルメールの作品目当てと言っていい。『真珠の耳飾りの少女』(1665年頃)一作品だけでもその価値が十分なのに、初期の作品「ディアナとニンフたち」(1653 - 1656年頃)や2作品しかない風景画のひとつ『デルフトの眺望』(1660 - 1661年頃)も所蔵しているのだ。その上、レンブラントの出世作 『テュルプ博士の解剖学講義』(1632年)やパウルス・ポッテルの『雄牛』(1647)という大作もある。訪れた友人と話していても、他の作品インパクトのおかげで、印象に残っていないことが多い。そこで、デン・ハーグを訪れるという人には、「小さな『ゴシキヒワ』を忘れずに」とアドバイスするようにしているのだ。 

 


MUSEUM DATA

17世紀にマウリッツ公の私邸として建てられた建物は、宝石箱のように美しく、フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』、レンブラントの『テュルプ博士の解剖学講義』といった珠玉作品を収めるにふさわしい。

Mauritshuis


◎住所:Plein 29, Den Haag

◎電話:+31 70 3023456

◎公式HP:https://www.mauritshuis.nl/en/bezoekinformatie-japans/

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